フュージング画について |


フュージング画は、色ガラスを電気窯で融かして絵皿などを作るグラス・フュージングに、水墨画のように自由な筆致の淡彩画を融合した、新しい絵画です。
私は長年、ステンドグラス制作の傍ら、環境に配慮した「無鉛ステンドグラス」を模索してきました。そして、試行錯誤の末に到達したのが、このオリジナル手法と言えるフュージング画です。平成19年のフランス遊学時に出合った現代フュージングアートに、原画手段として手がけてきた伝統絵画=水墨画を融合する形で実現しました。同時に、この手法には無くてはならない平板電気窯もオリジナルで開発しました。
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フュージング画と光
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フュージング画は、色ガラスを鉛線で繋いで絵にする「ステンドグラス」とも、ガラス板に絵の具で絵を描く「ガラス絵」とも一味違う絵画です。ステンドグラスのように窓辺に設置すれば透過光で、絵画のように壁に吊るせば反射光で、それぞれ違った表情・美しさを見せてくれます。
絵画であるフュージング画を、手軽に楽しんでいただければと思います。
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フュージング画の技法
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【原画】
私が原画の作成に当たって最も大切にしていることは、モチーフの「命」を写し取ることです。ですので、動植物をモチーフにする時は写生をします。人物をモチーフにする時はデッサンをします。
それは、フュージング画がガラス工芸である前に、絵画であるという意識の表れでもあります。
多くの場合、水墨画で原画を描きます。青墨を磨って、勢いのある線質を大切にしながら、描きます。全制作工程の中で、最も緊張する時間だと思います。
墨の他にも、色鉛筆や、水彩画で原画を描くこともあります。ただ、墨のもたらす偶発性の面白さは、他には無いものです。
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原画は、それ自体絵として完成されたものにすることが大切です。
私は観て下さった方から「ガラス工芸だから、絵は多少マズくても仕方ない」と思われることを、最も戒めています。 |

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【絵付け】
フュージング画は、厚さ3〜4mmの板ガラス(ベースガラス)の上に、絵付けとガラスの被(き)せを繰り返し行うことで、作られて行きます。
そのうち絵付け工程は、制作の間に、1回ないしは重ね塗りの要領で数回行います。使う顔料はグリザイユです。グリザイユは伝統的なステンドグラスの画材で、金属粉とガラス粉を原料としています。これを水や酢で溶き、和筆で描きます。グリザイユの色は、黒、こげ茶、白、赤など、状況に応じて使い分け、混合もます。
透過光の下、調子を確認しながら、絵付けをして行きます。
一度焼成してしまうと、消すことができないので、慎重に作業を進めます。
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【ガラスの被せ】
ガラスに彩色する手段として、伝統的なステンドグラスではエナメル彩色が行われてきました。しかしエナメルには独特のくすみと、酸への腐食性があります。
この技法では、ガラス特有の透明感と艶、そして立体感を持たせるために、ベースガラスの上に色ガラスを被(き)せます。
被せる方法として、ガラスパウダーを振りかける方法と、薄い板ガラスをカットして載せる方法の2通りがあります。いずれも、焼成して、ベースガラスと一体にさせます。この工程はいわゆるグラス・フュージングに当たります。
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【焼成】
焼成は、グリザイユの定着と、ガラスの被せの2つの目的で行います。
1回描く度に、または1回被せる度に1回焼成して、ガラスに定着させます。焼成温度は700〜800℃で、グリザイユの微粉末は自重で、融けたガラス表層に浸透します。またガラスパウダーや板ガラスは、半分融けた状態で、ベースガラスに融着します。 |
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1回の焼成は、約12時間かかります。それは、ガラスの性質上、冷却を段階的に数時間かけて行う必要があるためです。これを徐冷といいます。徐冷時間を十分に取ることで、強度のある作品になります。この徐冷工程にもノウハウがあるのですが、当工房ではコンピュータで全自動で行っています。
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【完成】
絵付け、被せ、焼成を繰り返し、絵の完成度を高めて行きます。そして多いときで20回近く繰り返して、作品は完成します。
1日に1焼成しかできないので、完成に1ヶ月近い時間がかかることもあります。 |